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未公開株詐欺事件の消費者紛争解決機関による解決事例

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ごく稀なケースかもしれませんが、政府の消費者紛争解決機関に寄せられた円満な解決事例を紹介しましょう。投資家は、販売会社の営業担当者から未公開株の勧誘を受け、言われるままに契約に応じてしまった。その内容は、今この会社の未公開株を90万円で購入すると、360万円以上になるという夢のような儲け話であったといいます。

営業担当者の上手過ぎる話に不安を感じた投資家は、消費者紛争解決機関に相談をもちかけました。解決機関の専門家が契約書の内容と業者の登録の有無、未公開株を発行する会社を詳しく調査したところ、契約書の内容と営業トークにかなり相違があること。販売会社が金融庁の登録業者でないこと。未公開株発行の事実はないことなどが発覚しました。ここまで証拠がそろえば詐欺であることは明らかですが、販売会社は不在を装いなかなか返金に応じませんでした。

解決機関の専門家は無登録の違法性と、営業トークと事実との相違を楯に投資額の一部返還を要求しました。消費者契約法では、上場の予定がないのに、上場すると事実でない情報を流布し、強引に契約させた場合は不実告知(ふじつこくち)にあたり、契約は取消にするとされています。

法律に強い専門家に根負けした販売会社は、7割の返還条件で投資家と示談し、後日投資家に投資額の7割が返還されました。このケースは詐欺業社から見事に返金を勝ち取った理想的な事例です。返金額が全額ではないのは残念ですが、返金の訴訟を起こし裁判費用や弁護士費用が掛かることを考えれば7割は妥当な金額といえるでしょう。

この投資家の賢いところは、早いうちに販売会社に疑念を抱いたことです。専門家に仲裁に入ってもらい、販売業者の違法性を指摘すれば、詐欺師といえども逃げ道はありません。

友人の弁護士に問い合わせたところ、投資詐欺で騙し取られたお金を取る戻すことができる可能性はとても低いそうです。この事例の投資家も、疑いを持ちつつも欲に目が眩み契約に応じてしまいました。3割のお金が回収できなかったのは、社会勉強の高い授業料であったのかも知れません。