時代背景が生んだ「なりすまし」投資詐欺事件。銀行も餌食に。どこまで信用できる?個人情報と経歴。

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銀行の審査も時代に合わせて時に厳しく、身辺調査も徹底的に行われます。特に景気の厳しい時は、貸し渋りや貸し剥がし等の話題も持ち上がる程。銀行側も融資には慎重になっているし、経営環境も厳しさを増しています。そうした背景や銀行側の心理の裏を突いた投資詐欺事件が起きた。

以下、引用記事  産経新聞 6月23日(木)7時55分配信

銀行を騙す(会社役員になりすます投資詐欺)
会社役員なりすまし 銀行から3000万円詐取 容疑の男3人逮捕 千葉

 実在する会社の役員になりすまし、銀行から融資金約3千万円をだまし取ったとして、県警捜査2課などは22日、詐欺などの疑いで、住居不定、無職の斉藤亘司容疑者(47)=別の組織犯罪処罰法違反事件で服役中=ら47~62歳の男3人を逮捕・送検したと発表した。同課は3人の認否を明らかにしていない。
 3人の逮捕容疑は、共謀し、実在するものの経営実体がないソフトウエア会社「セイコー・インスパイア」(船橋市)の代表取締役などになりすまし、同市にある銀行の支店に偽造した融資申込書などの関係書類を提出し、融資金として同行から約3千万円をだまし取るなどしたとしている。
 同課によると、3人は同様の手口でほかの銀行からも融資金をだまし取っており、被害総額は1億数千万円に上るとみられる。

–引用ここまで–

アベノミクス(安倍政権)において、日銀の黒田総裁が打ち出した「マイナス金利政策」は、民間銀行が日銀に預け入れをする当座預金の超過準備金にかかるマイナス金利利息分が、民間銀行からすると損失となるため、一般企業に融資するように促し設備投資や雇用の創出を創出するように仕向けた施策だが、今回の事件は「銀行」が詐欺の餌食になってしまった。

雑把な話だが、一般の銀行は日銀に預け入れをするよりは、企業に融資をした方が金利分が稼げるし、将来の収入源を確保する事に繋がるばかりでなく、新規の顧客を開拓する事にも繋がる。それが容易に出来る環境が生れた。端的に言えば、融資をする間口が広がれば、リターンも間口が広がるというわけだ。

そうした銀行側の条件下では、借りる側も融資審査基準が緩和された感覚があり、デフレから続く低金利も手伝って、銀行も慎重ではあるが融資がし易い状態にある。企業の設備投資だけに留まらず、住宅を検討している方々にもメリットが生れた形となる。

今回の詐欺事件は、そうした社会的な景気背景や金融政策と銀行側の気の緩みの裏を突いた犯罪といえる。この不景気のご時世。設備等をしたいと自ら訴える企業は少ない。銀行からみれば「待ってました」と言わんばかりの「お客様」となる。銀行側の見識の甘さと言うよりは、詐欺グループの巧妙で周到な騙しの手口が垣間見える。経歴の詐称、なりすまし、ペーパーカンパニー。融資を希望する会社の役員ともなれば、銀行側も疑う余地はない。銀行側の融資決裁も簡単に降りる。そこが今回の事件の盲点であり、詐欺グループからすれば「してやったり」である。

今回の事件の被害者である銀行は「投資・融資」と言う部分に引っかかり、商機があったと誤認している。利害取引関係に於いては、WIN=WINの関係にあることから、「すんなり」騙された。

こうした巧妙な手口の詐欺は、犯人が捕まってしまえば「なんだ、そんな事だったのか!」と思われがちだが、逆手に取って考えれば、銀行側の必死さも垣間見える。悪い言い方をすれば心理的な「余裕が無い」のである。信用・信頼があって初めて成り立つ取引。その相手が架空の人物だったとしたら。。。