「不安」の文字を見て、本当に「不安」になる。冗談が下手な日本人の生真面目さが特殊詐欺犯罪被害者を生む。「緩い生き方」が犯罪撲滅へと導く!

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GWが終わり、学校や会社に行きたくないなぁ。そんな気怠い雰囲気が漂う中でも特殊詐欺・投資詐欺は止まりません。事件も被害者も減らない中、これだけ注意喚起をしているのに「不安」に陥るのは何故なのか。今日は、そんな視点から考察したいと思います。
日本人の気質とも言える「神経症」「不安症」にスポットを当てます。

精神科医で著名な書物も発刊している和田秀樹氏 に「不安」を逆手に取った詐欺の手法には、日本人特有の気質が関係しているとの記述がある。

–以下、引用

『「不安を楽しむ」生き方』 新講社 和田秀樹 著 2014年発刊

「まえがき」p4~より

(中略)
たとえば、振り込め詐欺。子どもから電話で相談されたと思い込んでしまった人は、心配、不安のあまり、周りが見えなくなります。不安を客観的に眺められないのです。そこが犯人の狙いです。ますます不安にさせて行動の選択を奪ってしまうのです。人に相談すればいいのに、その余裕を与えないのです。
つまり、不安にとらわれるひとは、心の自由がないのですね。
(中略)
不安があっても、振り回されないこと。むしろ、不安とともに生きていくこと。可能なら不安をパワーに変え、不安を楽しむ生き方を選ぶ方が賢明だということです。

「プロローグ」p18~より

*不安に振り回される人は、先が見えていない

(中略)
不安に振り回されてしまうと、先のことはまったく考えられなくなってしまい、いまある不安だけを解決しようとするからです。極端な例を挙げると、自分はガンかもしれないと疑い、その不安から逃れようとして自殺する人がいます。ガンを恐れるのは死が怖いからなのに、その一番怖いはずのことを自分で実行してしまうというパラドックスがあるのです。
なぜそうなってしまうのかといえば、「その先」にあるものが見えなくなるからです。今の不安は、これから起こるかもしれない不幸や不運に脅えることで生まれてきますが、不安に振り回されてしまうと先の事より、今の不安から逃れることだけを考えてしまいます。「いま怖い」「いまピンチだ」というだけで、「何とかしなくちゃ」という気持ちになってしまうのです。
振り込め詐欺だって同じです。「事故を起こした」とか「会社のカネを使いこんでしまった」という子供からの電話に、「大変なことになる」と慌ててしまい、パニックに陥った親は犯人の指示通りにカネを用意します。その場で解決しようとするから、つい相手の言いなりになって動いてしまうのです。ここでワンクッション置ける親なら、振り込め詐欺に引っかかることはありません。「誰かに相談してみよう」とか、「私まで慌ててはいけない」と考える親なら、犯人たちもすぐに諦めます。不安になっているのは同じでも、その不安に振り回されるかどうかはほんのわずかな違いでしかないのです。

「プロローグ」p20~より

*こんな人が振り込め詐欺やストーカーに狙われる

(中略)
職場のような組織で、上司のハラスメントを受けたり周囲から不当な扱いを受けている人が、「でも、ここでやっていくしかない」と思い込んでしまうと、何をされるかわからない不安にいつも脅え続ける事になります。心の大部分が不安に占められてしまうと、とりあえずその不安から逃れるためには相手や周囲の言いなりになるしかありません。
(中略)
被害者はたぶん「ここでいうことを聞かないと何をされるかわからない」と考えるのでしょうが、ほんとうは「行けば何をされるかわからない」のです。つまり、いまの不安に振り回されることで、ふつうに考えてもわかりそうなことまで分からなくなってしまいます。

–引用ここまで

正に「そのとおり」と言わざるを得ない。
大阪のおばちゃんは詐欺に引っかかりにくい。と言うのも、日々の生活の中で「冗談」を織り交ぜて、「それって嘘と違うの?」って感覚で「柔軟に」生活しているのです。事実を斜に構えて見る事が出来るのです。事実を捉える気持ちの枠に余白が多いのでしょうか。気持ちの中に若干の余裕があるのでしょう。
基本的に真面目な日本人は、(嘘だとしても)事実や不安も正面から真面目に几帳面に捉えてしまうのでしょう。その気質が何処から来るのかは、民族の多様性に慣れていない部分や宗教観から来るのだろうが、詐欺集団はそうした不安を逆手にとって犯行を繰り返し、被害者を「カモ」として何度も狙うのです。
気持ちにワンクッションを置く。全てを信じない。緩い考え方。そうした思考能力と冷静な判断力が特殊詐欺犯罪に遭わないコツなのかもしれません。